感情の忘備録

浪人時に精神病に罹患、二浪を経て、底辺大教育学部で病状悪化、読書感想文や感情を吐露したりしてます。

「安楽死を遂げた日本人」を読んで得た知識について

 

 まず、動機として積読になっていたこの本を読もうとしたか。

それはこの年齢(21歳)で、すでに完治は無く、寛解したとしても数年かかると謡われる精神病(パニック障害・社会性不安障害又それに伴う諸々の疾患)に罹患し、大学生にして人生で完全に凋落し、確実に助かる、這い上がる術も現状ないということや、周りは就活、社会人、大学院生の同期が多く、それによって劣等感、焦燥感により、自殺願望を持ち、完全自殺マニュアルを再び参考にしたが、自殺未遂は中途半端に試みるとかなりのリスクが伴う。よって最後の救済は安楽死しかないと考えたからだ。

 

精神障害を背負っている人間はおそらく健常者が妬ましく感じると察する、特に後天的に不幸にも獲得してしまった人ほどルサンチマンになる可能性が高いと自分の経験から考える。

いきなり今まで出来ていたことが突然出来なくなる恐怖、またもう一度挑戦し、失敗したらまた恐怖や不安、苛立ちを覚えるだろう。これは僕の持つ病気の特徴であり、他の障害を持った人には共感できない可能性が大いに含有されているとも思う。

 

僕は三島由紀夫を敬愛し、その生きざまや貴族階級、文武両道、大和魂に憧れた。

僕の最後の理想の死に方は彼のような死だ。

しかし、自決することは難しい、ましてや刀なぞ容易に手に入らないし、切腹する勇気もなく、また介錯してくれる人なんてこんな時代にはそうそういないだろう。アナクロニズムと揶揄されるだけで地位も名誉もない有象無象の中の1人が夭折しようが何の意味も持たない。

 

僕が自死、つまり死にたいと、正確に言えば消えたいと思う一番の要因は今まで出来ていたことが出来ず、努力をしたいのに出来ない状態であり、第二に、学年で英語がトップだったのにすでに同じ土俵には立てないという状況下に置かれ、万が一復学してもフラッシュバックでさらに精神状態が悪くなるだろうという予期不安と3歳も下の人間と学ばないといけないのはバカバカしいと思っているからだ。

また前回の記事にも述べたが、努力出来ないというのは寛解する保証もなく、また再発することがあるならば、それはとどのつまり、骨折り損でしかないという結果が残酷にも容易に推測出来るからだ。

 

さて、さっそく「安楽死を遂げた日本人」について得た知識を整理したいと思う。

安楽死には積極的/消極的安楽死の2つのおおまかな分類があり、前者はよく話題になる典型的な安楽死でスイス、オランダ、アメリカ(一部の州)などで施術を受けれる。

後者は延命治療を患者の意思で止めることだが、果たしてこれを安楽死と呼べるのであろうか、緩和ケアでセデーションしても最後に痛みが残るはずである。

 

また安楽死にはまだ明確な定義がないとのことであった。

 

そして安楽死(以下安楽死とは積極的安楽死のことを指す。)を日本人が受けれる国は

スイスだけである。

安楽死を行うグループも複数あり、代表的な物はライフサークルやディグニタスだろうが、ディグニタスは情報をほとんど公開していない

 

ライフサークルについて

 安楽死にかかる費用はおよそ300万である。その中にはおそらく、会員登録、年会費、エアーチケット、施術代、薬物(ペントバルビタール、これは数百円で買える)火葬代などが含まれているのであろう。

仮に入会し、団体から書類が届いても実際に安楽死出来るまでは6か月ほどかかるのが平均だそうだ。(週に2~3人を見送るため)

また事前に診断書、健康状態などの何百枚も多くの書類を英語、またはドイツ語で書かなければいけない。

書類審査が終わると面接が2回ほど行われる。

ざっくり説明すると4つの条件が必要となる。

  1.  完全に寛解しない病気か
  2. 明瞭な判断が自分自身で出来るか(認知症、精神病を患っていると一貫した安楽死を望むという意思や本人の意思の確認が取りづらいためより困難となる。)
  3. 代替可能な治療法はないか
  4. 耐えがたい苦痛があるか

そしてスイスに入国する際に空港は複雑なゲートになっているので注意すること

また家族など看取る人がついていくならば入国審査で怪しまれないような滞在期間をすり合わせることと空港で友人に会うと言った際に事前に口合わせをしていないとマズい

 

以上から明白に分かる通り、スイスでの安楽死は簡単なものではなく、日本においても安楽死(自殺幇助)は法律上許されていない。

 

4つの条件から分かる通り、安楽死は若者が出来るものではない、もっとも英語は独学で学び安楽死に関する単語(e.g. 自殺幇助の英単語など)を覚えたとしても莫大な費用はどこから調達するか、精神病の場合、耐えがたい痛みを伴うものは自分の知る限りほとんど聞かない、また精神病は薬との相性があり、代替の両方はあるとも言い切れる。

 

仮に全ての項目を満たしたとしても現地に赴て面接で「あなたにはまだ生きる資格ある。」と言われて返されることもあり、それではただの徒労となり、さらに絶望するだろう。

 

結局、残念ながら安楽死が相手にしてくれるのは癌患者や難病を患い、資金もある人々のような末期の人間なのだ。

 

僕のように社会復帰出来ず、体調も一向に寛解せず、人生のゴールデンタイムを棒に振る自分を傍から見ていることしか出来ず、最悪の場合作業所で働くことにもなりかねない。

 

自分自身の残念な人生を見届けるしかないのだ。

 

※最後に、この記事は「安楽死を遂げた日本人」というルポの自分が関心のある一部を取り上げただけにすぎず、自殺幇助や安楽死を推奨しているわけではないのであくまで自己責任でお願いします。

 

それでは