感情の忘備録

浪人時に精神病に罹患、二浪を経て、底辺大教育学部で病状悪化、読書感想文や感情を吐露したりしてます。

逃避行

 

なんだか抱きしめられただけですべてが赦されるような気がした、人の温みに触れただけでなんだか僕の心は壊れそうだった。

 

この一年間孤独に生きてきた。

大げさかもしれないがそれでも地元の友達と会って遊ぶことなんてまれだし、ほとんどは下宿しているからそう簡単に会えない。未来について話しても暗い話になってしまう。僕も明るい話題を持っていない、暗夜行路の最中にいる。

 

ただ抱きしめられただけでなんだかすべてが赦される、そんな気がしたのだ。

 

愛なんて普通の家族内でもあるだろうと人は言う。

しかし僕の家族は一般的な家族じゃないし、母子家庭、つまり離婚をしているし、金銭的な面で僕は底辺高校に入れられたらしい、捨て子のようなもんだな。

 

親からも僕に対して「アイツは障碍者だ」なんてセリフを聞いたこともあるし、多くの人々から侮辱された、今もそうだ、医者にだって負け組なんて言われた。

祖母には励ましてもらったがなんだか自分が情けない、不甲斐なさを感じてしまう。

女々しいというか。

 

なんだか人に上辺だけ優しくされると空しくなる、だいたいただの同情や憐れみを向けられて終わりだ、別に僕もそうして欲しいわけじゃない、人に弱みを打ち明けるのは失礼なことだと、三島由紀夫氏も言っていたし、僕も思う。乞食のように、なんだか無償の愛を求めているようで。

僕もそんな弱い人間になりたくない。だからだいたい傷ついていないふりをする、しかしそのふりでさえなかなか難しい。

 

本当の愛なのか分からないがそれでも抱きしめられると今まで辛酸や絶望、恨みつらみで積みあがってきた心が瓦解してこれまでの汚物が全て消えてしまうのだ、それはアルコールやタバコなんかとは比べ物にならない。

 

思うにおそらくもう自分は強くない、もう立ち向かえない。

こんなことになっているんだからもう愛に飢えて狂いそうなんだ。

だからその前に早く、なんとかしてこの状況を変えなきゃ、もうこんな情けないことになりたくない。

人に頼りたくない。

一年間療養することを親に報告して、もう専門に行くことにしよう。

試験も受けられないような体になってしまった。

 

気付いたら心身も体裁もボロボロだった、そのことに気付いていなかった、いや認めてなかった、それでも無理をするからガタが来る。

 

逃げるしかないのだ、ここまで来てしまったんだから。